昨日、職場からの帰途、信号待ちの交差点でご夫婦と思われるご高齢のお二人を見かけた。
お二人は共に車椅子。
前後に並んだ前が男性で、彼は電動車椅子に乗っていた。
後ろの女性は電動でないそれに乗っていたけれど、彼女は前の電動車椅子に手綱のように取り付けられた紐に捕まっていた。
信号が変わり車椅子が走り出すと、そう、女性の車椅子が男性の電動車椅子に牽引される状態になる。
まるで一台のタンデムの車椅子のように見えた。
勿論、お二人のご苦労は自分などには計り知れないものがあるだろうけれど、一方で、例えば一昔前のヨーロッパで、リタイアした夫婦がオートバイにサイドカーを着けてツーリングする、そんな光景が連想され微笑ましさも感じられた。
そう、先日映画「アンコール!!(原題:“SONG FOR MARION”)」を観た。
ロックをレパートリーにする高齢者の合唱団という題材は、ドキュメンタリー映画「ヤング@ハート(原題:”Young@Heart”)」を思い起こさせるし、老夫婦の愛を描いた作品は枚挙に遑がない。
しかしながら、自分は本作を唯一無二の映画と思っている。
そりゃあ「お話」だけにツッコミどころあるけれど、そんなことはどうでもいい。
ライブスタイルで収録された、主人公のマリオンが歌うCyndi Lauperさんの“True Colors”と、同じく主人公のアーサーが歌うBILLY JOELさんの”Lullabye (Goodnight, My Angel)”があまりにも素晴らしい。
…
この映画を母にも観せたいと思っている。
DVDがリリースされたらプレゼントしようか。
いや、この映画を観た自分がするべきことは、母を劇場へ誘うことだ。
少し時間をやりくりすればいい。
ただそれだけのことが簡単に出来ない自分がもどかしくて苛立つ。
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